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GALE SPEED Elaborate フロントキャリパー 開発秘話

開発2課 設計室

 
 
キャリパー開発の背景

 2002年にアクティブが立ち上げた足周りの総合カスタムを担うオリジナルブランド「GALE SPEED」。鍛造ホイール、ブレーキディスク、マスターシリンダーとリリースしてきましたが、それらで追求してきたブレーキパフォーマンスをさらに最大限引き出すために、やはりキャリパーが必要でした。
そこでアクティブで初めてのキャリパー開発は『GALE SPEEDの夢を叶えるプロジェクト』としてゼロからのスタートを切ったのでした。

 

1. コンセプト決定~設計デザイン ~GALE SPEEDがプロデュースするキャリパーとは~

 

 構想は「世の中に無いすごいものを作りたい」という開発者の思いから始まりました。
キャリパーに求められる要素は剛性・耐久性・軽さ・カッコよさ…etc。
やると決まった以上は最高に良いものを目指したい。そこでキャリパー構造の主流である1ピース、2ピースそれぞれのメリット・デメリットを検討し、最終的に2ピース構造の利点と、GALE SPEEDの最高峰シリーズElaborate(エラボレート)の3D切削技術を組み合わせたキャリパーを作ると決めました。

 

イメージ図



 

 
2ピースキャリパーの特徴
メリット 加工工具の制約が少なく、ボディをコンパクトに削ることができる
デメリット 1ピース構造と比べてキャリパー本体の剛性が低い
ピストン吐出量が少ない
(制動時のたわみが少ない)
ボルトで固定する為に重くなりがち





ピストン吐出量のイメージ図



2. 初号機試作~テスト ~念願のプロトタイプ完成~

 2014年の東京モーターサイクルショーでアルミのブロックを半分削ったものを展示し、そこで初めて対外的に「キャリパーを作る」という意思を表明しました。
そこから本格的に設計と試作が始まりましたが、5軸加工ができるマシニングセンターでは常時Elaborateマスターシリンダーを量産しているので、通常生産とキャリパー試作のスケジューリングに苦労しました。
弊社にはマスターシリンダーの設計・製造で培った知識やノウハウがありましたが、キャリパーにはまた全然違う加工技術や知識が必要でした。それを補いながら何度も試行錯誤をして作った最初のキャリパーをブレーキテストベンチ(車重、車速、減速度、パッド温度などの条件を指定できる試験機)にかけた時、一般的なブレーキと遜色無く機能したことに非常に感動しました!



3. 仕様のブラッシュアップ ~高みを目指して~

 

 1つ試作ができると同時に、改善したいところも出てきました。

 

1.

どうやったら2ピース構造で剛性が出せるか?これは(フロント4Pの場合)締結ボルトを4本にして、さらにセンターブリッジを設けることでブレーキ時の剛性をもたせることができました。

 

 

2.

ピストンの動きをスムーズにし、適正なピストンバック量にするためにピストンシールの溝寸法を様々なサイズに変えてテスト。


3.

キャリパーボディは、軽量・コンパクトにすると熱容量が足らなくなるという問題がありますが、できる限り小さく収めたい。そこで、GALE SPEEDキャリパーの特徴となった“フィン”をつけるアイディアが出てきました。熱容量を増やすのではなく、放熱効果を増す方法です。テストしていくうちにフィンは大きくなり、もともと表面積の大きい3D切削ボディとの組み合わせで高い冷却効果を発揮しました。見た目の美しさと性能を両立した加工目に仕上がっています。



4. 耐久テスト ~信頼できる品質へのこだわり~

 

 耐久性を確認するために数えきれないほどブレーキテストベンチ(試験機)を回しました。色々なパターンでデータを採りましたが、比較時の条件で車両重量300Kgを時速200Kmのところからフルブレーキ、というのをフルードが沸点を超えるまで繰り返すテストを特に多く行いました。実際に想定される走行条件よりも厳しい環境下でテストを行うことで限界の把握もできます。何度もフルブレーキテストを繰り返すとブレーキディスクにどんどん熱が入り、驚いたことに腕や顔が日焼けして黒くなっていました。
ベンチ試験に合格した試作品は、操作性やブレーキフィーリングなど、人間の感性でないとわからない部分を確かめるため車両に装着し、プロライダーにテストをしてもらいました。様々なディスクやパッドとの相性を試し、通常走行~スポーツ走行までをターゲットとした仕様にしました。
社内での試乗では初め不評だった悔しさもありましたが、最終的には納得いく評価をもらうまで詰めていけたことは大きな喜びです。


 

5. 量産仕様確定 ~いよいよ発売へ~

 

 何年もかけて蓄積したデータから、一番いい仕様のものを量産品に決めました。
製品の製作(出荷状態に組み上げる)では品質管理を徹底しています。まず部材の外観や寸法などを念入りにチェック。測るのが難しいシール溝も専用の測定器で検品しています。キャリパーボディやシール、ピストンなど構成部品それぞれの微妙な公差の積算が製品に影響しないよう気を遣うのも職人の腕の見せ所。丁寧に組み付けて、リークテストなどの最終確認を行い皆様のお手元へ届けます。


 

2014 2016 2017 2019(量産品)

 

 
 
 
 
 
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